2023年9月28日。 AKASHIがインスタを始めたころ、投稿の再生数は10回とか20回。
100回を超えた時は、家族みんなで「わーい!100超えたー!!」と大喜びしていたのが懐かしい。

少しずつ再生数も増えてきて、「今日は何人見てくれたんだろう?」と親子で見るのが日課になっていた頃、 とある作品の投稿をきっかけに、予想もしていなかった展開が待っていました。
「金のキャンバスに描きたい」

その絵のタイトルは「スキー場」。
ある日突然AKASHIが「どうしても金のキャンバスに描きたい!」と言い出し、家族で画材屋さんをいくつも巡って、ようやく見つけたキラキラの金色キャンバス。

そして、使ったのはなんとダイソーのミニちりとり。
しかも“はく方”ではなく、“受け皿の方”にポーリング絵の具をたっぷりと垂らし、色が重なってできたグラデーションをそのまま活かすように、ジグザグに滑らせて描いたのです。
実はAKASHIは、まだスキー場に行ったことがありません 。
テレビや絵本の中で見た“白銀の世界”を、自分の想像で描いたのです。
だからこそ、そこには固定観念のない、自由でユニークなスキー場が生まれたのかもしれません。
バズの始まりとコメント欄の嵐

この作品を投稿したのは2024年2月23日。 すると、ぐんぐん伸びる再生回数と、次々に寄せられるコメント。
「アーティスト!」「うらやましい才能」「将来おおものになりそう」そんな嬉しい言葉の一方で、
「ちょっと怖い」「病気の絵みたい」「これがスキー場?全然分からない」
といった否定的なコメントも増えていきました。
さらに、「子どもの才能」に対して大人たちがコメント欄で議論を始め、炎上状態に……。
私は何も返信も削除もせず、ただ静かに見守っていました。 数日後には、荒れていたコメントのいくつかは自然に削除されていました。
「いい」も「苦手」も、すべて受け止めるアート
再生回数は最終的に188万回を突破。 AKASHIも大喜び!
でも私は彼に話しました。
「すべての人が『いい!』と思う絵は存在しない。 だから、好き・嫌い、いろんな声があっていいんだよ。」
当時8歳のAKASHIは、少し驚いた顔で、でも「うんうん」と頷いてくれました。
夫も「こんなにコメント欄が荒れるって逆にすごいこと!」とポジティブ。 「子どもの絵1枚で議論されるなんて、どれだけ影響力があるかってことだよ」と言ってくれて、私の気持ちも救われました。
自信という通過点
この「スキー場」の一件は、のちに開催されたAKASHIの第2回個展を取材した沖縄タイムスの記事にも掲載されました。

「8歳の作品が炎上するなんて!」と記者の方も驚いていたほど。
AKASHIにとっても、188万再生はただの数字以上の意味を持ちました。
「自分の絵で、たくさんの人が何かを感じてくれた」
という経験が、これからの創作に自信と希望を与えてくれたように思います。
「表現すること」を信じて
アートに正解はありません。 誰かにとっての「好き」は、別の誰かにとっては「苦手」かもしれない。
でも、それでいい。
「表現していいんだ」と、AKASHI自身が少しずつ理解してくれているのが嬉しい。
これからも、彼の感性のままに描いていけるように、私たち家族も見守っていきたいと思います。
「子どもが好きなことを続けられるように応援すること」
の面白さや難しさ、そして楽しさが少しでも伝われば嬉しいです。
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