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188万再生の衝撃。「スキー場」が教えてくれたアートの力

「8歳の子どもの作品が188万回再生されたInstagramリールのインサイト画面」 AKASHIの軌跡


2023年9月28日。 AKASHIがインスタを始めたころ、投稿の再生数は10回とか20回。
100回を超えた時は、家族みんなで「わーい!100超えたー!!」と大喜びしていたのが懐かしい。

絵の具セットを前に、真剣に絵を描くAKASHIの姿
絵に夢中になるAKASHI。いつもここから物語が始まる。

少しずつ再生数も増えてきて、「今日は何人見てくれたんだろう?」と親子で見るのが日課になっていた頃、 とある作品の投稿をきっかけに、予想もしていなかった展開が待っていました。


「金のキャンバスに描きたい」

金色のキャンバスに描かれたAKASHIの抽象作品「スキー場」
188万回再生を記録した話題作「スキー場」。金色キャンバスと大胆な色使いが印象的。

その絵のタイトルは「スキー場」。
ある日突然AKASHIが「どうしても金のキャンバスに描きたい!」と言い出し、家族で画材屋さんをいくつも巡って、ようやく見つけたキラキラの金色キャンバス。

ポーリング絵の具を流し込むAKASHIの制作風景
ミニちりとりを使って、金のキャンバスに大胆に絵の具を流し込むAKASHI

そして、使ったのはなんとダイソーのミニちりとり
しかも“はく方”ではなく、“受け皿の方”にポーリング絵の具をたっぷりと垂らし、色が重なってできたグラデーションをそのまま活かすように、ジグザグに滑らせて描いたのです。

実はAKASHIは、まだスキー場に行ったことがありません 。
テレビや絵本の中で見た“白銀の世界”を、自分の想像で描いたのです。
だからこそ、そこには固定観念のない、自由でユニークなスキー場が生まれたのかもしれません。


バズの始まりとコメント欄の嵐

AKASHIの「スキー場」制作風景とInstagram投稿のキャプチャ画面
「金のキャンバスがどうしても必要!」AKASHIがこだわって描いた「スキー場」は、SNSでも大反響。リール再生回数は188万回を超えました。

この作品を投稿したのは2024年2月23日。 すると、ぐんぐん伸びる再生回数と、次々に寄せられるコメント。

「アーティスト!」「うらやましい才能」「将来おおものになりそう」そんな嬉しい言葉の一方で、

「ちょっと怖い」「病気の絵みたい」「これがスキー場?全然分からない」

といった否定的なコメントも増えていきました。

さらに、「子どもの才能」に対して大人たちがコメント欄で議論を始め、炎上状態に……。

私は何も返信も削除もせず、ただ静かに見守っていました。 数日後には、荒れていたコメントのいくつかは自然に削除されていました。


「いい」も「苦手」も、すべて受け止めるアート

再生回数は最終的に188万回を突破。 AKASHIも大喜び!

でも私は彼に話しました。

「すべての人が『いい!』と思う絵は存在しない。 だから、好き・嫌い、いろんな声があっていいんだよ。」

当時8歳のAKASHIは、少し驚いた顔で、でも「うんうん」と頷いてくれました。

夫も「こんなにコメント欄が荒れるって逆にすごいこと!」とポジティブ。 「子どもの絵1枚で議論されるなんて、どれだけ影響力があるかってことだよ」と言ってくれて、私の気持ちも救われました。


自信という通過点

この「スキー場」の一件は、のちに開催されたAKASHIの第2回個展を取材した沖縄タイムスの記事にも掲載されました。

展覧会に展示されたAKASHIの作品「スキー場」を含む6点の絵画
Instagramリールで188万回以上再生された「スキー場」(中央下)。ポーリング絵の具とちりとりを使って描かれた独自の世界が、多くの来場者を惹きつけた。

「8歳の作品が炎上するなんて!」と記者の方も驚いていたほど。

AKASHIにとっても、188万再生はただの数字以上の意味を持ちました。

「自分の絵で、たくさんの人が何かを感じてくれた」
という経験が、これからの創作に自信と希望を与えてくれたように思います。


「表現すること」を信じて

アートに正解はありません。 誰かにとっての「好き」は、別の誰かにとっては「苦手」かもしれない。

でも、それでいい。

「表現していいんだ」と、AKASHI自身が少しずつ理解してくれているのが嬉しい。

これからも、彼の感性のままに描いていけるように、私たち家族も見守っていきたいと思います。

子どもが好きなことを続けられるように応援すること
の面白さや難しさ、そして楽しさが少しでも伝われば嬉しいです。

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